観劇記録

遊劇舞台二月病『海のホタル』

遊劇舞台二月病『海のホタル』-感想-

作 大竹野正典

演出 中川真一

【会場】
ウイングフィールド
〒542-0083大阪府大阪市中央区東心斎橋2-1-27 周防町ウイングス6F
TEL 06-6211-8427

 

【キャスト】
石田麻菜美

武田真悠

橋本達矢

松原佑次

三村優里花

ルーデルマン大地

山本晄

岩本理沙

佐川貴哉

 

桜田燐

ぼつじゅうシリーズ、海のホタル。
実際にあった事件を元に作られた作品だそうですが、それだけあって心がずっと落ち着きませんでした。

人の弱みを握ることによって自分が優位にたったような安心を得られそこに居場所を見出す。安心したいしね。

人間同士の確執とか、お金によって揺さぶられ狂わされる人間だとか、私はしんどいなと思います。めんどくさいし。なので見終わった時の感想は「重い」ではなく「しんどい」と言った方が正確な気がします。

実際に「重い」という言葉は違うように感じます。軽いけど刺々しいものがずっとありました。

演者さんの演じ方というのが重いというかずっと気が狂っている感じだったので、より一層狂気的に思えたのかもしれません。

でも、そういうのって結構深刻だなと思います。お金がないというのはお金の重要さを思い知らされるわけで、命が重いというのは当然の認知だと思ってて、しかしその揺れる重要度というのが価値観を壊すのだなと感じました。

慣れ。
慣れるっていうか人間の学習能力って言ったらいいんですかね。

一度やると、完璧にではなくとも慣れちゃうというか、その方法をとっちゃうというか、順応しちゃうんですね。余裕が無いと特に縋ってしまう。意図的に漬け込むのが定番だという私の想像だったのですが今回は無意識に漬け込んで無意識に縋ったという感じでしょうか。

この物語の、誰も余裕がなかった。あの殺された父親も、或いはそうだったのかもしれない。そもそもの環境から既に余裕がなかった。
みんなよりも焦りを見せなかった男は何を考えていたのか。

目を合わせて欲しかったんじゃないでしょうか。
そういえば、みんな目を背けたり下を見たりと向き合うものがいなかった。1人を除いて。

あの男の中で、見てくれさえすればいいと、かなりハードルが低くなっていたように思います。本人は多分そんなふうに思ってないけど、とにかく見て欲しかった、そんなふうに感じました。

目は口ほどに物を言う。目を通して、きっと色々なものが見えていたんじゃないでしょうか。