空き地の隅で空っぽの空き瓶が空を見上げた日

第三回公演を終えて〜Bチーム〜 パート①

卯月 凉生

地に足がついていないとはよく聞く言葉ですが、『ヒールの高い靴』は地に足がついているのかいないのか。5cmのヒールの靴の”上で”捻挫する卯月です。 一人で何事もなかったように歩き出すの恥ずかしいのでそろそろ稽古場が迎えに来てほしい。

第3回公演が終了しました!
お越しいただいた皆様、公演に協力いただいた皆様、未熟な私を支えてくれた劇団さあもんの皆様、本当にありがとうございました。

…といいながら、実はこの記事を書いているのは10月末です。こうなるだろうと思って本番前から下書きを始めていたにも関わらず何回書いても言葉がまとまらない。

というのも、(以前書いた事があるかもしれませんが)私自身が”何かをやり遂げる”という経験をしたことがなかったからです。

勉強、部活、仕事、人間関係。
何かの”終わり”を迎えるのが怖いのか、はたまた結果を評価されることが怖いのか。
やり始めた物事が軌道に乗り始めると誰かに後を任せてしまって『最後まで取り組む』ことができませんでした。

稽古に向かう道すがら、何度も逃げ出したくなりました。

役者の良さを自分が引き出せなかった時。
周囲との向き合い方を間違えてしまった時。
知識や経験不足で構成が考えられなくなった時。
自分自身の”空っぽ”に気づいた時。

それでも『演出家』という肩書を自ら背負った責任は果たしたくて稽古場に居続けました。

本番終了という”終わり”に何かがあるはず。
それだけを信じて自分にできることをその時の自分なりにやっていた気がします。

20日、全公演が終了しました。

来てくれた人達から感想をいただいた。役者達が色々な感情を吐露する場に立ちあった。

打ち上げが終わった。片づけをして帰宅した。
次の日、稽古に向かった。

Bグループの千秋楽。
その時持てる最大のものをだしてくれました。

私が見たかった芝居がそこにあったから。後半に向けて上がる雰囲気。出入り口から見ていて鳥肌がたった。音響をしてくれていた主催のテンションに比例するといわれていたエンディングの音量。

あの言葉にできない感覚は
きっと一生忘れられないと思います。

たしかに終わった。見たかったものが見れた。
両日来てくれた人からも「前よりよくなった」と言っていただけた。でも、想像していたよりも湧き上がる感情が少なかった。
強い感情を感じるにはまだ何か足りていなかったのかもしれない。手を抜いてしまったところがあったからそれが心に引っかかってるのかもしれない。
次の日の稽古で、主催と一緒に次回公演の話を劇団員1人1人と話しながら、そんな事をぼんやり考えていました。

結論から言うと、違いました。
第3回公演の振り返りの話が出る度にどんどん強い感情が湧いてきました。千秋楽の『よかった』で、もっとやれることがあったはずだという『悔しい』に蓋をしていただけでした。

終わりの先で得る物はたしかに存在していましたが、私の場合は達成感ではなく飢餓感でした。

きっと、どれだけ時間をかけようがどんな評価を受けようが『完璧』なものを作りあげることはできない気がします。どこかで聞いた「演劇に終わりはない」という言葉を身をもって感じています。

この公演だけでかなりの精神力を使いました。
これが他の事であれば次の何かに気が逸れて投げ出してしまったかもしれませんが、演劇は酒や煙草よりも中毒性が高い。一度味わったあの感覚をまた味わいたくてまた続けてしまう。怖くておもしろい。

第4回公演は12月。
次は「初演出」という免罪符は使えません。得た物全て使って今回を上回る物をお見せできるように頑張ります!

藤子 真帆

Bチーム「空」役の藤子です。
10/14、10/20と足を運んでくださった方々、ありがとうございました。
初公演にしてほとんどの会が満席で、贅沢な経験をさせて頂きました。

いま、ボウゼンとしています。
恋人と突然離れたかのような気分。
本日まで、あんなに肌身離さず持ち歩き、毎日読んでいた台本を、
今夜からはもう読むことが必要とされなくなります。

公演までの道のり、特にこの2か月ほどは、力みイキんで、悩んで考えて判らなくて、ヒーヒーフーでした。

自分の理想通りにいかない。
「役作り」をはき違えていた。
自分一人の練習をしっかりしていさえすれば、成立するものだと思っていた。
自分の状態が全然見えていなかった。
指摘されている事の意味を理解できていなかった。
自分に備わっているものの使い方が判っていなかった。
「良かれ」と思った演技や振る舞いが、「良かれ」ではなかった。
自分自身の良くないクセにも、たくさん気づくことになった。

団員さん達や同じチームの皆さんに支えてもらいながら、散々苦しみました。
作品を創るって、それを仲間とやるって、演劇って…ヒーヒーフー!

今後もこれらの課題へのアプローチは必要なのでしょうが、この2日の公演で、
現時点のわたしの力は、一生懸命発揮しました。
本番では、無我夢中でした。

入団当初に予想していた、「テーマパークで遊んで楽しかった♪」ような楽しさではありませんが、
未だに感覚の整理もついていないのですが、あんなにたくさん悩んだのに、
演劇を続けたいという気持ちがあるという事は、楽しかったのだと思います。

こういう「楽しさ」を味わうのは、初めてです。
これまで、真剣に何かに打ち込むという事をした事がありませんでした。

ある意味で、人の評価は関係がないのだと理解しながらも、どうしても不安なわたしには
皆さまや団員の皆さんよりご感想を頂けた事が幸いです。

特に、初対面にもかかわらず、話しかけてくださった方々、
一度ご覧になっただけでわたしの事を覚えてくださっていた方、
皆さんとお話しできた時間は、感無量でした。
本当にありがとうございます。

いまは、いまの事しか考えられず、まだ今後に意識は向けられませんが、
今後とも、劇団さあもんをよろしくお願い申し上げます。

いらして下さったお客様、同じチームの皆さん、劇団の皆さん、
初公演を経験させて頂いて、心よりありがとうございました。